三島由紀夫の自決は右翼陣営から憂国の義挙として高く、評価されて今も『憂国忌』が続いている。
大江健三郎にとっては三島由紀夫の自決は最も忌み嫌うテーマであるのだが、実は大日本愛国党の総裁の赤尾敏もまた三島の自決には否定的な見解でバカなことだ!と酷評もしてもいる。
「そんなもの問題にならんよ! 何もないじゃねえか。右翼という看板だけで。君たちは何も知らないんだよ、中身は何もありゃせんよ。三島由紀夫君が腹を 切って死んだろ? あんなことが一番偉いと思ってんだ。何も偉くないっ! 腹切って死んで国が救えるか。そうでしょう。俺が腹切って死んだら、共産党が喜 ぶだけだよ。生きて戦わなきゃいかんじゃないか。レーニンが腹切ったら、ロシアの革命は成功してないわ。あいつらはどんな苦労をしてでも、戦って、敵をつ ぶして、政権をとったんだ。その信念と執念がなくちゃ、成功しないよ。三島なんかバカだよ!」
救国のキリストか銀座のドンキホーテか
江藤淳も三島の自決を赤尾敏のように『軍隊ごっこ』ということで作家としては幼稚な末路と評して手厳しい批判を加えていたが、右翼の重臣の赤尾敏もまた、三島由紀夫の自決には国を救う行動とは考えていなかったらしい。
赤尾敏も大江健三郎が文化勲章を辞退した行為に対しては国賊の悪業ということでビラで糾弾していたのだろうが、三島由紀夫はそれほど高い評価は与えていない、のではないか?とも思う。
最も赤尾敏にいわせれば三島由紀夫が全部、駄作のようなことを書くような作家ではない、ということで全否定はしていないのだろうが、ちょっと三島には手厳しい評価を与えてもいるようではある。
大江健三郎の『セブンティーン』に登場した坂木原国彦という街宣右翼は赤尾敏がモデルにもなっている。
社会党の浅沼委員長を暗殺した山口二矢が愛国党に事件直後まで所属していて背後関係で殺人教唆を指摘されたのだが、事件は山口二矢の単独犯だったという。
大江健三郎も銀座の数寄屋橋で街宣車で辻説法を繰り返していた赤尾敏は批判していたが、実は赤尾敏は天皇の戦争責任を認めていて天皇陛下はアジア侵略の責任はあるが、天皇制は国民のためにある、ということを力説してたのは知らなかったのか?無視していたのか?
赤尾敏が韓国の朴正煕大統領を反共の立場から評価していて文芸評論家の福田恒存のように日本の植民地支配に国を売り渡した親日派と左翼から糾弾されても国益を考えれば反共で日本の救国というのはいつも思ってはいたらしい。
赤尾敏は維新クーデターで軍政を敷いた昔の反共独裁国家の韓国には好意的で、北朝鮮の共産主義には終始、批判的だったのは確かだろう。
竹島問題が日韓問題で厄介事になるので爆破して沈めろ!と赤尾敏は過激な発言もしてもいたが、昔から韓国が日本の生命線で反共の防波堤という地政学的な達観もあったようでもある。
赤尾敏も右翼の政治家であるが、戦前は作家の幸田露伴とも親交があって、当初は左翼とかアナキストでもあった。
政治家と作家は考えも違うのだが、実際、大江健三郎が『セブンティーン』で悪の権化のように描いた赤尾敏と実際の赤尾敏はもちろん脚色や虚構で異なっていることはもちろんあるか?とも思う。
赤尾敏に関していえば文学者と交流を持ったりはしたが、元々、政治家だったので作家の作品より、現実の日本を取り巻く政治の動向が気になっていたのだろうか?
赤尾敏はどちらかというと作家を余り評価していたとは思えない。
赤尾敏も大江健三郎が文化勲章を辞退した行為に対しては国賊の悪業ということでビラで糾弾していたのだろうが、三島由紀夫はそれほど高い評価は与えていない、のではないか?とも思う。
最も赤尾敏にいわせれば三島由紀夫が全部、駄作のようなことを書くような作家ではない、ということで全否定はしていないのだろうが、ちょっと三島には手厳しい評価を与えてもいるようではある。
大江健三郎の『セブンティーン』に登場した坂木原国彦という街宣右翼は赤尾敏がモデルにもなっている。
社会党の浅沼委員長を暗殺した山口二矢が愛国党に事件直後まで所属していて背後関係で殺人教唆を指摘されたのだが、事件は山口二矢の単独犯だったという。
大江健三郎も銀座の数寄屋橋で街宣車で辻説法を繰り返していた赤尾敏は批判していたが、実は赤尾敏は天皇の戦争責任を認めていて天皇陛下はアジア侵略の責任はあるが、天皇制は国民のためにある、ということを力説してたのは知らなかったのか?無視していたのか?
赤尾敏が韓国の朴正煕大統領を反共の立場から評価していて文芸評論家の福田恒存のように日本の植民地支配に国を売り渡した親日派と左翼から糾弾されても国益を考えれば反共で日本の救国というのはいつも思ってはいたらしい。
赤尾敏は維新クーデターで軍政を敷いた昔の反共独裁国家の韓国には好意的で、北朝鮮の共産主義には終始、批判的だったのは確かだろう。
竹島問題が日韓問題で厄介事になるので爆破して沈めろ!と赤尾敏は過激な発言もしてもいたが、昔から韓国が日本の生命線で反共の防波堤という地政学的な達観もあったようでもある。
赤尾敏も右翼の政治家であるが、戦前は作家の幸田露伴とも親交があって、当初は左翼とかアナキストでもあった。
政治家と作家は考えも違うのだが、実際、大江健三郎が『セブンティーン』で悪の権化のように描いた赤尾敏と実際の赤尾敏はもちろん脚色や虚構で異なっていることはもちろんあるか?とも思う。
赤尾敏に関していえば文学者と交流を持ったりはしたが、元々、政治家だったので作家の作品より、現実の日本を取り巻く政治の動向が気になっていたのだろうか?
赤尾敏はどちらかというと作家を余り評価していたとは思えない。