大江健三郎研究ノート

ノーベル賞作家の大江健三郎を考えるブログ。自分なりに作家・大江健三郎を考えたことの考察というか研究ノート。

三島由紀夫

三島由紀夫の作文とピカソの創作の天才ぶり!


 自分なりに思うのは三島由紀夫の小説の作品はサルバトール・ダリに似ているといえば似ている。

 ダリがスペインの軍事ファシスト政権のフランコを崇拝している姿がダリのようにも思えてくるし、実際、画家のサルバトール・ダリが三島由紀夫のように派手なパフォーマンスをいつも演じているとつい、三島はダリみたいな画家のようにも思えてくる。

 三島由紀夫を画家に例えればダリ、という意見は自分はそこそこ正しいと思うことがあるのだけれども、実際、三島は画家でいえばピカソのような人だったのではないか?という意見もあるが、この辺も正しいといえば正しい。

 ピカソは9歳で馬の絵を書いて彼は天才!と思った親が画家を辞めてしまったが、三島由紀夫だって8歳でピカソの絵のようにすごい文章を書いていて天才というしかない。

 学習院初頭科のエリート教育の影響もあるのだろうが、何よりも三島由紀夫が画家でいえばピカソのような初めから絵が書ける文章の天才だったことは否定できない。


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三島由紀夫の自決を批判していた赤尾敏


 三島由紀夫の自決は右翼陣営から憂国の義挙として高く、評価されて今も『憂国忌』が続いている。

 大江健三郎にとっては三島由紀夫の自決は最も忌み嫌うテーマであるのだが、実は大日本愛国党の総裁の赤尾敏もまた三島の自決には否定的な見解でバカなことだ!と酷評もしてもいる。


「そんなもの問題にならんよ! 何もないじゃねえか。右翼という看板だけで。君たちは何も知らないんだよ、中身は何もありゃせんよ。三島由紀夫君が腹を 切って死んだろ? あんなことが一番偉いと思ってんだ。何も偉くないっ! 腹切って死んで国が救えるか。そうでしょう。俺が腹切って死んだら、共産党が喜 ぶだけだよ。生きて戦わなきゃいかんじゃないか。レーニンが腹切ったら、ロシアの革命は成功してないわ。あいつらはどんな苦労をしてでも、戦って、敵をつ ぶして、政権をとったんだ。その信念と執念がなくちゃ、成功しないよ。三島なんかバカだよ!」

救国のキリストか銀座のドンキホーテか



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三島由紀夫の自決と大江健三郎の激しい拒絶


 大江健三郎の三島由紀夫嫌いは衰えそうにない。

 レイトワークな大江健三郎も三島由紀夫の憲法改正の市ヶ谷駐屯地のクーデターは激しく、機会があるごとに批判してばかりいる。

 昔は大江健三郎も三島由紀夫が右傾化する前にはそれなりに東大作家の仲間ということで評価もしていたのだろうが、大江健三郎が左傾化すると、もはや三島由紀夫は激しい嫌悪の対象でしかなく、絶えず三島は右翼でり、戦後民主主義を破壊するファシストとしか思っていない辛らつな批判を加える。

 では、大江健三郎にとってなぜ三島由紀夫は嫌悪の対象なのか?

 その辺を考えてみると右翼的な自決の方法が大江健三郎にとっては激しく、天皇制とか『沖縄ノート』の集団自決のような狂気というか、許せない行為なのだろう。

 日本の軍人とか右翼でも自決ということで最後に華やかな自殺で自分を美化するような風潮を大江健三郎は激しく嫌悪する作家だと私は思うことがある。
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三島由紀夫の自決は才能で大江健三郎に敗北したのが理由か?


 このブログは自分なりに大江健三郎を考える研究ノートで少しずつ書き足しているのだが、最近、三島由紀夫が実は大江健三郎をそこそこ尊敬していてどうも自決の原因の一つに作品で大江健三郎に敗北したことを本人が感じていたのではないか?と思うようにもなった。

 山崎行太郎も大江と三島の自決の周辺を書いていて読んでみると考えさせられるものがある。
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