大江健三郎研究ノート

ノーベル賞作家の大江健三郎を考えるブログ。自分なりに作家・大江健三郎を考えたことの考察というか研究ノート。

赤尾敏

三島由紀夫の自決を批判していた赤尾敏


 三島由紀夫の自決は右翼陣営から憂国の義挙として高く、評価されて今も『憂国忌』が続いている。

 大江健三郎にとっては三島由紀夫の自決は最も忌み嫌うテーマであるのだが、実は大日本愛国党の総裁の赤尾敏もまた三島の自決には否定的な見解でバカなことだ!と酷評もしてもいる。


「そんなもの問題にならんよ! 何もないじゃねえか。右翼という看板だけで。君たちは何も知らないんだよ、中身は何もありゃせんよ。三島由紀夫君が腹を 切って死んだろ? あんなことが一番偉いと思ってんだ。何も偉くないっ! 腹切って死んで国が救えるか。そうでしょう。俺が腹切って死んだら、共産党が喜 ぶだけだよ。生きて戦わなきゃいかんじゃないか。レーニンが腹切ったら、ロシアの革命は成功してないわ。あいつらはどんな苦労をしてでも、戦って、敵をつ ぶして、政権をとったんだ。その信念と執念がなくちゃ、成功しないよ。三島なんかバカだよ!」

救国のキリストか銀座のドンキホーテか



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谷沢永一と赤尾敏という鬼子


 大江健三郎の急先鋒の谷沢永一といえば国賊とか悪魔の思想というか過激なタイトルで敵をみなした作家や文化人を日本刀で一刀両断するような過激な保守右翼というか極右的な文芸評論家だったと思う。

 
 『悪魔の思想―「進歩的文化人」という名の国賊12人』という本があるのだが大日本愛国党の赤尾敏の銀座・数寄屋橋の辻説法のように国賊は国賊ではないか?という過激な保守の理論武装という気持ちだったのだろうか?

 もちろん谷沢永一の大江健三郎は悪魔の思想家で反日作家で国賊と批判する書籍は単にネトウヨとか大江健三郎を糾弾する人間以外には見向きもしないだろうし、評論に値しないという酷評も当然だろう。

 俗にいう大江健三郎は売国奴!であり、ノーベル賞を返上して北朝鮮へ政治亡命でもすればいい、というネットや2chまとめの多くは谷沢永一の右翼本の焼き直しなのだろう。

 とはいうものの私は低劣な谷沢永一の本はお話にならない、とは思う評価なのだが、なぜ、谷沢永一が大江健三郎や朝日新聞な進歩派を国賊と糾弾していたのか?は気になる部分がある。続きを読む
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